アルゴルの思惑

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デネボラ国の宮殿にて、帰国したアルゴルを執事のミルファクが出迎えた。 部屋に戻り、侍女にマントや手袋を渡しながら着替えをするアルゴルに声をかけた。 「アルゴル様、いかがでしたか? 何やら楽しそうですね」 目を細めて笑顔を作る執事に、アルゴルは上機嫌で答えた。 「ワクワクしてきたよ、彼女はああ見えて情に流されやすいからね。心理戦で上手く事を運べそうだ。邪魔さえ入らなければ……ね」 アルゴルはドカッとソファに座り、長い足を組んだ。 ミルファクはテーブルの上に用意したカップに熱い紅茶を注ぐ。 「基地の進捗はどうだ?」 「はい、他国から集めた銃器や戦闘機は順調に集まっています。それらの修復もほぼ完了に近い状態です。新たに製造した機体も予定数を間もなく迎えそうです」 アルゴルは紅茶にミルクを注ぐと、白い渦を見つめながら笑った。 「彼らは武器を所持する事に抵抗があるみたいだからね。平和ボケしてくれて助かるよ、本当に……」
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