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「ベガ様、ここより遠くアステリア国のように自然豊かな星があるのをご存知ですか?」
ベガは急な問いに驚くも、すぐに思い浮かぶ惑星があった。それはベガの秘密部屋に咲く花が生息する美しい星「テラ・マーテル」の事だ。
頷いて、その名を口にするとアルゴルはにっこりと微笑んだ。
「あの星と貿易や交流をして、更なる発展を遂げたいと私は思うのです。各国との貿易はもちろんテラ・マーテルとの交渉も私にお任せ下されば、ベガ様の右腕として…いえ、夫として存分に力を発揮したいと考えています」
ベガの心は揺れ動いていた。
一回りも年上のアルゴルは、やはり自分よりも才があると思えて仕方がない。甘えではないが、強引なくらい事を運べる人材が側にいるのは、まだ王として経験値の浅い自分には丁度良いのではないかと思い始めていた。
「アルゴル……もう少し、考えさせてくれ」
俯いたままそう答えると、アルゴルは再びベガの手を取り、柔らかな声で「はい」と返事をした。
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