真実を明かす時

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「スピカ、デネボラの様子はどうだ?」 『基地へ向かった兵士の身柄も拘束したよ。兄さんの言う通り、封鎖されたゲートの奥にあったマンホールからの地下道が、基地へ行くスペースポートに続いてた』 スピカと呼ばれた声の主は、レグルスの双子の妹だった。 アルゴルがこの後、一気にアステリアへ攻め入るつもりで命令を下していた兵士達は捕らえられてしまったのだ。彼女の報告を聞いたアルゴルは怒りに唇を震わせ、レグルスを睨みつけた。 「何なんだ……お前は…お前らは、何者だ!? アステリアのスパイだったのか…!?」 アルゴルは慌てて銃を構え直す。 「分からないのも無理はない。お前達は皆殺しにしたと思っていたのだからな」 その言葉を聞き、アルゴルはハッと目を見開いた。 「アリデッド…!? お前達は、あの星の生き残りか!?」 かつてアルゴルの父が資源欲しさに滅ぼした星がアリデッドだ。レグルス、スピカそして他の機体に乗っている者達は皆、その星の生き残りである。 彼らはデネボラ国や他の惑星に身を置いて、長年この瞬間を待ち望んでいた。そしてベガがデネボラの工場で見た女性従業員は、このスピカだった。 「俺の本当の名は、レオ・アルタイルだ」 「……アルタイルだと!? じゃあ、お前は…」 アルタイル、それはアリデッド国の王族の名前だった。命からがら逃げ出した数名のアリデッドの兵士は、託された幼い王子と王女を連れ、とある惑星に辿り着いた。二人は別々の家に(かくま)われ、それぞれの家庭で本当の家族のように日々を過ごした。 定期的にアリデッドの皆と交流する中で、レグルス達は復讐心と共に母国の再建を願っていた――。
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