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ベガの幼くも見えるその仕草に「ふふっ」と笑い、カストルは一旦、カップや皿を片付けるとお辞儀をして部屋を出た。
カストルに引退をしてもらい、穏やかな老後を過ごさせるべきだとも思うのだが、側にいて欲しいという甘えが彼を手放せずにいた。
レグルスが有能である事はベガも認めている。ベガに対して最初から無礼とも言えるような言動が多かったが、周囲にそんな風に身近に接してくれる大人がおらず、どこか兄や友達のような感覚に心地良さも感じてきた。
……ただ、厳しい。
再び部屋の扉が開き、カストルと侍女が入って来た。
「ベガ様、シリウス様がお戻りになりました。広間にてお待ちです」
「分かった、支度する」
報告を受け、ベガは正装に着替えると帰還したシリウスとその一行を労うべく広間へと向かった。
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