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「なんであんたがここにいるの?………花梨」
公園の街灯の下で照らされた少女は学校帰りの制服姿で私を見て微笑んだ。
「美琴ちゃんの事が心配だったんだよー。今日のお昼は随分と遊ばれてたみたいだし」
ピクッ
………やっぱり
「なんで知ってるの?」
「睨まないでよぉ。私はただ彼女達が知りたがってたから人気の無い場所を教えてあげただけだよ」
ふわりと緩くウェーブした髪が風に揺れ、花梨の口元が三日月を描く。
華奢で弱々しいはずの彼女から感じる異様な雰囲気に寒気がした。
私は彼女を知っているはずなのに、まるで別人かのような錯覚を覚えている自分に困惑する
「…全部あんたの計画通りってわけね。それで、こんなところまできて何のつもり?家まで教えたつもりなかったけど」
「颯太くんに聞いたんだよ〜。私が美琴ちゃんと仲直りしたいって言ったら『あいつには近づくな』って言われちゃったけど。」
彼女の言葉を通して彼を思い出す。
ああ嫌だ、花梨の口から彼の言葉を聞きたくなんてなかったのに。
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