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 夕晴が必死に反論するが、夕晴の意見になんて耳も向けずに二人は私の背中や頭を撫でてくれた。  快斗くんが、死んでいるかもしれない。  大好きな快斗くんが。もういない。もう会えない?  嫌だよ。 「目に砂が入っただけ。夕晴は何もしてない」  楓はつとめて穏やかな声で目を擦った。本当は砂なんて入ってないけど、その場をおさめるにはその嘘が最適だと思った。二人は私のことを怪しく思いながらも、「そうか」と言って離れる。 「突然泣くなよな。ビックリするだろ!」  夕晴はホッとしたようにそう言った。私は「ごめん」と力のない声で謝ると、それから砂のお城を作って、夕日が沈みかけたタイミングで家に帰った。  。  家への帰り道、私はそんなことを考えていた。隣で暢気に夕晴が自分の話をしている中、私は悪魔に心を奪われていた。どんなバケモノか知らないけど、殺してやる。快斗くんの敵を取ってやる。夕日がメラメラと燃えるように、私の心も復讐心でメラメラと燃えていた。10歳にして、人生で一番の覚悟を決めたことになるのではないかという強い意志を心に持った。  それから7年。私は高校二年生になった。快斗くんが失踪した時と同い年になった。この時を待っていた。7年間、ずっと待っていた。ついにをする日がやってきたのだ。
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