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黒岩真理絵は高架橋の下に居た。
「外が好きなの?」
ベルトの金具を外しながら男が聞いた。
「音が好きなの」
「音?」
フッ、と真理絵は妖しく微笑み
「だって大きな声を出しても平気でしょ?」
と、男の首に両手をまわしキスをした。
「いやらしいな」
「いやらしいの、嫌い?」
「嫌いな訳ないじゃん」
「よかった・・・・」
真理絵の上目遣いに、男は堪らないといった様子で彼女を後ろ向きにさせ、スカートをたくしあげる。
遠くから、キィィーッ、ガタンガタンッ、という音が近づいてくる。
電車が真上に到達するのと同時に、真理絵は背中を仰け反り、歓喜の声をあげた。
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