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公園のトイレ脇の木に隠れるようにして、真理絵はワンピースから覗く白い脚を露にしていた。
桐人の身体があたる度に、木の幹から飛び出した小さな棘が真理絵の指に刺さる。
「んっ・・・・」
指先の痛さよりも、今は違う部分を占めている快感が勝る。
「ねぇ、だめ・・・・」
真理絵はそのまま振り向き、もう昇天しそうだと桐人を見つめるが、桐人はまだだ、と言わんばかりに真理絵の腰を引き寄せる。
目の前をスーツ姿の数人の男女が笑いながら通り過ぎる。
小さな子連れのママたちも芝生の上でピクニックをしている。
「き、りと・・・だめ、声が・・・」
こんな所で喘ぎ声など出せば、目の前にいるこの人たちが一斉に真理絵と桐人を見るに違いない。
「声、出しなよ」
桐人が悪戯に笑う。
真理絵は下唇を噛んだ。
「や、だめ・・・・」
「出せって」
「あ・・・・」
桐人の動きが激しくなる。
真理絵は額を木に押し付けながら漏れそうになる声を我慢した。
「んっ・・・・んんっ」
棘が、真理絵の頬に刺さり、血が滲む。
でも、そんな事はお構い無しに真理絵は欲望のまま、ただその一部分に纏わりつき、襲ってくる快感に身を委ねた。
「うっ・・・・」
背後で桐人が果てる。
真理絵は彼が果てる直前までその感触を貪って果てた。
まだセックスを覚えたてだったあの頃とは全く違う。
同じ人物同士だと思えないくらい、今のほうが100倍は気持ちがいい。
それは桐人も同じだったようで、果ててから数分もしないうちに再び真理絵を求めてきた。
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