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披露宴で、男は友人代表として祝辞を述べた。皮肉な事だ。新郎新婦にとって男はかけがえのない友人で、しかしその心情を知りはしないのだ。
チビで抜けたところがあったが底抜けに明るい友人は、背が伸びて頼り甲斐のある紳士になった。
やぼったくて恥ずかしがり屋でちょっとだけ勇気のある彼女は、誰よりも優しくて一途な淑女になった。
そんな二人が自分にとって最愛の友人だ。
結婚おめでとう。
一生仲良くやれよと、祝いの言葉を尽くして、男は泣いた。
新郎新婦も号泣するものだから、会場の人達は温かい拍手を送った。
友人からのサプライズも、盛大なムービーも、ケーキの入刀も。
男はすべて泣き腫らした目で眩しそうに見つめていた。
最後には花嫁からブーケ、花婿からはブートニアまでプレゼントされて、二次会には行けそうにないと辞退する男を惜しんだ。
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