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 『大吟醸』のラベルをじっと見つめながら、男はくい、とお猪口を傾けた。  まだ年若く、酒を得意としていない男だったが、飲み慣れない日本酒は思いのほかすっと喉を通っていく。すっきりとした味わいは酩酊状態にあった意識を少しだけはっきりさせた。
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