空から来た甘いケモ耳

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「甘えておれ」  コマは僕を背負うと地面に落とした僕のカバンやケーキの箱を拾って歩き出した。  ケーキの箱は潰れていてきっと中身も食べられないだろう。 「怪我はしておらぬのか?」 「顔を、頬を殴られたから痛い。口の中も切ったのかな。歯は折れてないけど血の味がする」  コマの背中は大きくて安心感がある。ぎゅっと抱き着いた。ふわりとコマの香りがする。安心するその香りを吸い込む。 「コマ、迎えに来てくれてありがとう」 「声が聞こえたし、お前の匂いがしたからの」 「そんなに大声出してた?」  口に中にハンカチを押し込まれていたからそんなに大声は出てなかったと思うけど。 「店まで迎えに行ったら、すれ違いになったようだから探しておった」 「そうなんだ。ごめんね。今日は試作品作りに夢中になって残っていたから遅くなったんだ。連絡できないからごめん」  携帯を持っていれば連絡はできるけど、コマは携帯をもっていないから連絡をすることができない。予定していれば帰りが遅くなることを先に伝えることはできるけど、急に遅くなる時は連絡できない。今日は急に遅くなったからコマは心配してくれたのだろう。
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