空から来た甘いケモ耳

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「店子に尋ねたら用意してくれた」  なるほど。コマひとりではお使いも満足にできそうにないけど、人に尋ねれば大丈夫なようだ。 「腫れが引くまではこれで冷やすといいと言っておった。あまりひどい時には医者に掛かれと言っておったが大事ないか?」 「そこまでひどいケガはしてないよ」  コマは収納棚の引き出しからハンカチを取り出して小さな保冷剤を包むと僕の頬にあてた。ビニールに入った氷は流しに持って行ってくれた。 「口の中を見せてみろ」 「いいよ。大丈夫だから」 「見せてみよ」  コマが身を乗り出すから仕方なく口を開いた。左の頬の内側をコマがじっと見て、「少し切れておるが、大事なさそうじゃ」と言った。 「口の中は冷やせぬから仕方がないの。辛い物は沁みると言うておったから、バナナと飲み物を買うてきた」  テーブルの上にコマが広げる。バナナとゼリー飲料、おにぎりを数個。昆布やツナマヨだ。店員さんが選んでくれたのだろう。 「コマの分は?」 「忘れておった」 「おにぎりはコマが食べるといいよ。口の端が痛いからおにぎりは食べれそうにないから」
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