空から来た甘いケモ耳

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 今日はケーキの試食も食べてきたし、ゼリー飲料でも十分だ。コマは不服そうに顔を顰めたけど、「これは、ワシが貼る」と言って湿布薬を取り出した。 「湿布なんてコンビニで売ってるの?」 「薬屋を紹介してもらった」 「薬屋?」  こんな時間に薬局が開いているだろうかと首を傾げると、「コンビニのすぐ近くの店じゃった」とコマが説明した。 「ああ、ドラッグストアね。遅くまで開いてるところがあったね」  思い出した。コンビニのすぐ近くにある。 「ほれ、服を上げよ」  コマは湿布を袋から取り出した。打ち身の場所の服を持ち上げて待っているが一向にコマが湿布を貼らない。  背中側だから何をしているのかも分からなくて、「コマ、まだ?」と尋ねると、「うーん」と唸り声が聞こえた。 「どうしたの?」 「これは、どうしたらいいんじゃ?」  振り返るとぐしゃぐしゃになった湿布をコマは広げようと格闘していた。  フイルムをうまく剥がすことができなかったようだ。 「貸して」
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