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何度も見られていたみたいだから、近所の人かもしれない。変な噂を立てられたらどうしよう。
「どうしたんじゃ?」
コマが白い着流しのまま髪を拭きながら出てきた。
「あの、さっきの人って、僕の顔知っているみたいだったよ。それに、何度もコマとトイレに入ったところをも見られているみたいだったし」
「心配せずともよい。ワシが守ってやる」
「守るって……」
「ワシは狛犬じゃ。杜をするのが仕事じゃ。任せておけ」
コマは得意げに胸を張った。
次の日。コマに購入を促してくれたコンビニの店員に感謝した。コマの買ってきた袋の中には大きめのマスクも入っていたのだ。
拓哉さんと姉さん、店のスタッフには心配されたけど、怪我が治るまでは店頭には出ないことになった。
コマの『守る』は毎日の送り迎えのことだった。
毎日迎えに来るコマはすっかり常連客で、他の常連の女性客が友達を呼んでさらに人が集まるようになった。コマは閉店間際にやってくるから、売れ残りが減るのは助かるけど、僕はどうにも落ち着かない。
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