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「はあ…♡こ、んな気持ちいいの初めて…」
「…………。」
「安堂さん、めちゃくちゃ良かったっス…安堂さん?」
顔を下げて余韻に浸っていたが、肩を掴んだ数人を見る。ものすごく困った顔して、泣きそうな目をして口の中を膨らませてる。
「あっそうスよね、飲めませんよね!」
慌てて手を器に見立てて口の前に差し出すと、待ちわびたと言わんばかりに数人は口を開く。
「んぷぇあ…♡」
唾液と混じってサラサラの白濁が吐き出され、何度か咳き込む。それがめちゃくちゃエロいと思いつつ英護はトイレットペーパーで白濁を拭いた。
「けほ、けほ…」
「えーと…抜きましょうか?」
数人も相当限界だろうと提案したが、呼吸の落ち着いた数人はゆるゆる頭を左右に振った。
「よる、ほんばんなんだろ…けほっ」
「そ、そうスよ。夜、俺はあんたを…安堂さんと本気セ○クスします。」
「………だったら我慢する。」
自分で言いながら、やや不満そうだが数人は我慢を選んだ。それが嬉しくて英護は強く抱きしめる。
「早く抱きたい…♡抱きたい♡抱きたい♡」
英護もまた我慢するが本心が溢れてしまう。しばらく抱き合い、思いがけないイベントに戸惑いつつ片付けをしてうがいなどして、二人でトイレから出た。
偶然誰もおらず、数人の生徒もいない。
なぜか逆に気まずいような気がして、よそよそしく二人は離れた。
「あー、それじゃ安堂さん…俺、ホテルで待ってますから。」
「ああ…必ず行く。」
そう小声で約束をかわし、二人は別々の方向に歩き始めた。振り返ることは出来ない。
あと1度でも顔を見れば、何もかも忘れて抱き合うことをお互い理解していた。
早く夜になればいいのに…そう思いながら太陽を恨めしそうに睨む数人は巡回の仕事に戻った。
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