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教員含め、生徒も疲れているはず。
しかし若さとはパワーだ。夕食のビュッフェでも生徒たちは楽しそうにはしゃぎ、数人はそれを壁際から見守った。
食事くらい空気を壊すまいと、よほどバカしない限り多めにみたためか、1度も怒鳴ることなく食事を終えた生徒が全員部屋へ帰る。
後は明日まで自由時間。
教員一同は別室で打ち上げという名の飲み会。疲れてるんだから正直寝てくれ。と本心から思いつつも逆らえないのが大人である。
付いてきただけの教頭を始めとしたその他の教員も、美味しいお酒と料理でまあまあ楽しそうに宴会していた。数人は、この後最重要任務があるため食事は極端に控えておく。
体力はつけておかないといけないので事前に補給ゼリーはしっかり摂取しておいた。
やたら隣に座った教頭が絡み酒してくること以外は楽しいと思う。
「はっはっは、安堂くんがいれば今年も何も起きなさそうだな!」
酒臭い吐息を吹き掛けながら太ももや尻を見えない角度でまさぐる教頭が上機嫌に話しかけてくる。あー早く抜け出したい。
反対側には生徒の前ではあまりよろしくない大胆なインナー姿の矢車先生が密着して胸を体に押しつけて、両側が狭い。
「ね、ね、安堂くん?生徒が寝たら自由時間よね?そしたらお部屋に来てよ、ね、ね?」
「すみません明日の天気のチェックやそれに応じてスケジュールの変動や行動パターンをまとめないといけないので。」
当然それらは事前に全てのパターンを考えており、後は当日の天気のチェックだけでいいのだが、そうでも言って部屋に引きこもらないと朝まで付き合わされそうだ。本当なら今すぐにでもここから出たい。英護の待つホテルはほどほど離れているが徒歩で10分ほど。
出るときは慎重に、帰りに例え誰かに目撃されても飲料を買うためコンビニに行っていた、と言えば通用するだろう。
その後30分は抜け出す隙もなく教頭のお酌や幹事的な役割、矢車先生の話し相手をして過ごしたが、もういいだろう。だんだん飽きてあとはダラダラ飲みたい人が残る雰囲気になる。
「では、私は失礼します。」
「おぉ、ワシもトイレに行こうかな。」
わざわざ数人が立ち上がるタイミングに合わせて教頭も立つ。少し不可解に思いながらも数人が襖を開けて教頭を通らせる。では後はそれぞれ行く場所に…
「待ちなさい安堂くん。」
「…ご用ですか、教頭先生。」
襖を閉めた途端、ねっとりと酒臭い息を潜ませて教頭が腰を抱き、尻を揉みしだく。
相手が相手ならセクハラで十分通るだろう。
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