えぴ29

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prrrr 「!」 ほら、早速事件発生だ。人通りの邪魔にならない電柱の影で電話を取る。 「安堂だ。」 『あっ先生~、阿部くんたちと人込みではぐれて…』 「2組の阿部だな、というと君たちは8グループか。どこにいる?」 『新京極公園で待ってますー。』 「了解、安全を確認したら向かわせる。君たちはその場を動かないように。」 電話を切ってすぐ電話が鳴る。 「安堂だ。急ぎの用件か?」 『伊藤くんがカバンを落としたって…』 「行動ルートを逆走してよく確認しなさい。私も最寄りの交番に報告しておく。」 電話を切ってすぐ阿部に電話をかける。 『ゲラゲラゲラ…っあー?おしおしー?』 「安堂だ。ずいぶん楽しそうだな阿部。」 『ぅげっ…アンドロイドからだ!』 「同行しているのは和田か?どこにいる。」 『あ、いえ、すぐグループに戻ります…』 「なるほど、ホテルに帰りたいんだな?」 『ごめんなさい!本当に気を付けますから!』 「……。8グループのメンバーが新京極公園で待ってくれている。きちんと謝罪するように。それから阿部、君の端末から一時間ごとに居場所をメールするように。二度目はないぞ。」 『はい、新京極すぐ行きます!』 はあ…巡回さえもまともに出来そうにない。 数人は眉間のシワを指でつまみ、顔を上げると最寄りの交番を目指した。
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