えぴ34

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えぴ34

昨日はすごかった、本当にすごかった。 初セ○クスもとても良かったが昨夜のセ○クスはそれを軽々越えるほど気持ち良かった。 正直、ハマりそうである。毎日ハメられたら教師や進路の悩みのストレスがぶっ飛びそうだ。その場合意識もぶっ飛んでいるだろうが。 連続でヤリすぎたためかホテルに帰る時前回以上に数人は足をガクガクさせて生まれたての小鹿のようにヨロめきながら気合いで帰った。心配そうに見送る英護は最後まで「ムチャさせてすみません!」と謝っていた。 だが今日はなんとしてでも帰らなければならなかった。大阪のテーマパークで生徒たちと丸一日過ごすのもそうだがそちらは英護と合流する予定があるから楽しみだ。 気にかけているのは矢車先生の件だ。 自分がもっと大人の立ち振舞いするべきだった。なかったことになればいいとは思わない、今するべきことは誠心誠意の謝罪だろう。 ホテルに戻るとすぐシャワーを浴びて着替え、胸元の大量のキスマークをシャツで隠す。さすがに仕事に支障を来すと判断し、恥ずかしながらスポブラをする前にちくびに絆創膏を貼った。鏡で見ながらやったが英護が喜びそうな絵面である。それからすぐ、たどたどしい千鳥足で矢車先生の部屋をノックする…が、出てこない。 「ふむぅ…」 数人は困った吐息を漏らし、眉に濃いシワを作る。頭の中ではここですぐ謝りたかったが早朝から男に押し掛けられたら、きっと怖いだろう。執拗にノックはせずその場は去る。 部屋に戻って改めて身支度を整え、ジャケットを羽織り朝食には会えるだろうと思っていたが矢車先生はいらっしゃらなかった。 代わりに他の先生から「昨夜高熱を出して夜間外来を受診した結果、風邪を引いていて帰った」らしい。とても驚いた。 「他にも教員は同行してますし、矢車先生の担当の夜間見回りは自分が引き受けますので!」と若い先生が快く引き受けてくれて安堵と同時に深い罪悪感に苛まれる。 それを見て若い先生は勇気づけてくれた。 「仕方ないですよ!修学旅行ってそれだけ体力使いますし、これ以上問題は起こらない、でしょ?安堂先生が不安に思うことはないですしそんな顔してると生徒が油断しますよ!」 「むっ…ああ、そうですね、ありがとう。」 今は私情の謝罪よりも数百人の生徒を安全に無事に見守り誘導することが先決だ。 心をアンドロイドに押し固め、先生に言われたように凛と佇む。 朝食のあとは速やかにバス移動となり、大人気テーマパークへ全員が行けることに浮き足立っている。例え嫌われようが憎まれようが誰かが水を差して冷静さを取り戻させなければ一生の傷が残るかもしれない。 「んン"ッ」 バスの座席で威厳たっぷりの咳払いをした安堂は自分の心を鬼にすると改めて強く決意した。 天気は晴れ、渋滞はほどほど。 バスはつつがなく高速道路を走ってゆく。
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