えぴ37

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それでも順調に巡回を続け、数名はしゃぎすぎて軽い怪我をした者がいたが…生徒全員揃って定刻通りに入口前に集合し、無事旅館に帰還するバスに乗車できた。 バスの窓から見るテーマパークは夕闇に溶け始め、とてもセンチメンタルな気分に浸らせた。 それまでがあまりに慌ただしかったため、数人はテーマパークを振り返り英護を見かけることもできなかった。もしかしたら先に帰ってしまったかもしれないが…。 「…………。」 修学旅行も明日で終わり。 明日は朝から問答無用で帰還準備。 途中トイレ休憩を挟んでPAに寄ることくらいだ。 そう思うと自分は学生ではないのにとても寂しい気持ちになる。同時に教師として肩の荷も降りるのだが、数人は全員が安全に帰宅するまで気を抜くつもりはなかった。 しかし英護と最後の夜だ。修学旅行が終わってからも恋人同士、交際を続ける予定だが今年の修学旅行はこれで終わる。 人生初めてのセ○クスを経験して、価値観ねじ曲がるほど気持ちいい思いさせてもらって…あのベッドで乱れるのは今日が最後だ。 そう思うと別れが惜しい。英護が選んだホテルだがとても素敵だったのでまた宿泊したい、とも思う。 だが明日は帰る。そうなるとどうしても脳裏には「ね…?とっても気持ち良かったでしょう?今夜もとびっきり気持ちいい思いさせてあげますから逃げないでくださいね、安堂さん♡」と耳打ちした彼の色っぽい破壊力ある声が離れない。ああどれだけ気持ちいいことをされてしまうんだろう。すでに開発された前立腺が疼いて足がモジモジするほど楽しみだ。 早く、早く彼に抱かれたい…めちゃくちゃにされたい♡ 期待、興奮、妄想、高揚。思わず顔がニヤけてしまうほどワクワクしながらバスは真っ直ぐ旅館を目指した。
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