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「!?!?!?」
「うっわすごい音した!すみません痛かったスか!?」
いや痛かったが痛気持ちいいと言うか、派手な音にびっくりしたのは同じと言うか…
「平気だ。…何をしてるんだ?」
「ん?マッサージっスよ?」
「………。」
確かに今圧迫された一撃で肩の重い感じがスッキリした。これは間違いなくマッサージだ。
「…………そうか。」
…なるほど?
「続けますね、今度は鳴らしすぎないよう気をつけます。」
それでもコキ,ポキ…と小さな音が鳴り続ける。
その度に体の重みというか、鉛の鎧を脱ぎ捨てて背中に羽が生えたように軽くなる。
英護、マッサージうまいな…!背骨の横を指圧した指がググーッと通る感覚なんて思わずヨダレが出て「んお…」と声が洩れるほどだった。
「うわあ安堂さんバッキバキ。凝りすぎでしょ、お疲れスね。よく平気な顔してますね。」
英護がマッサージしてくれるまで体が疲れてることになんて気づかなかった。しかしテクニシャンな施術を受けることで背中から全身が蕩けそうだ。これきもちいい…。
「痛いところ押しますよー」
「ンググググヌ!」
痛い痛い痛い!後頭部と首の境目痛い!ギブ!痛い無理!ロープを求めて手を伸ばす。
「やっぱり安堂さん眼精疲労半端ないスね。もーちょっと我慢してー」
「んぶぶぶぶぶ…!」
い、意識飛ぶ…無理、痛す、ぎ…
「ハッ」
もしかしたら気づかぬ間に本当に気絶していたかもしれない。しかし英護の手が離れた瞬間驚くほど頭が軽い!首がスイスイ動く!
「はいお疲れ様、よく我慢しましたね。次は足のマッサージしますよ。」
「ま、待て英護、待ってくれ。」
マッサージはありがたいんだがちょっと待って欲しい。
「信じられないくらいめちゃくちゃ気持ちよくしてくれるって話は…!?」
私は!それを!楽しみにしてたっっ!
マッサージも気持ちいい、5才くらい若返ったように関節がヌルヌル動くから自分の体じゃないみたいだ。それは感謝する、でも!セ○クスは!?修学旅行最後の夜だぞ!?
不満を飲み込み、体をねじ曲げた眼光で訴えると英護は目を丸くさせていた。
「だから…これがそうスよ?」
その返事だけは聞きたくなかったぁ…!
考えられる1番絶望に叩き落とされる言葉だった。意地で体を捻り仰向けになり、無理やり上体を起こして英護が落っこちそうになる。
「おとと、」
「マッサージは十分だから…セ○クスしよう!」
「いやいや、触って思いました。あんたの体は限界寸前スよ。今夜はセ○クスお預けっス。」
ガーーーン…!
ずるずるとはぐらかされる方が嫌だったがはっきり「お預け」と言われるとショック。
さっきちくびでイッておけば良かった、と後悔する。いやらしい体にされただけでなく今夜は特に…期待していたのに!
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