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「セ○クスしたい!!」
「だーめ。」
感情が爆発した数人は聞き分けのない子供のように喚くが英護は冷静だった。まだマッサージをするつもりで足に手を置いている。
「今夜は思い出にっ…最高の修学旅行の記憶になると思っていたのに…!」
「ふふ、だからっスよ?満足なんてさせません。もっともっと貪欲に、淫乱に俺を求めてください。」
「かえるぅ…っ」
もう何もかもイヤになって逃げたかった。
しかし英護は足に置いていた手を素早く動かし、あっという間に脱走しかけた数人の腕を抑え込み毛布の上に縫いつけた。
「だーめ、帰さない。」
くっ…こんな時まで声がカッコいいなんてずるい…!
そのまま襲ってくれるか、首筋にキスでもされれば冷めたのに英護はただ楽しそうにこちらを見るばかりだった。
「う、くぅ…」
先に数人の心が折れてしまい、大人なのなポロポロ泣いてしまう。
「…そんなに俺とセ○クスしたかった?」
とても優しい声で尋ねられても揺らがないぞ!
「気持ちいいこと、したかった…」
「…そうスよね。」
本心から素直に答えたが、英護はどこか寂しそうに納得していた。それから切り替えて、数人の腕を解放した。
「俺も鬼じゃないス。安堂さんがそうなることも想定して…」
少し離れてバッグから何か漁るのを怪訝そうな眼差しで見守った。
「こんなの買っておきました!」
ウインウインウイン
「い、いやーーーっ!」
…長い夜は、まだ始まったばかり。
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