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えぴ42
そうして今年の修学旅行は無事終了した。
「…………。」
最終日が1番天気が良く、バス前方席で揺られる寝不足の数人を刺激した。
「…………。」
全員の安全な帰宅を確認するまで油断するつもりはないが…今年はいい修学旅行だった。
大きな事故や怪我、事件もなく。
そして何より英護の存在が大きくて…
「っ………。」
一晩中オモチャで弄ばれた下腹部がまだズクズク疼いてピクリと反応してしまった。
まあ総合的に…今までで1番素晴らしい修学旅行だったと思う。
修学旅行前の開発準備期間、修学旅行での初セ○クス。最終日はお預けをくらってしまったが英護式マッサージ(意味深)のおかげだろう。
驚くほど体が軽く、眠気以外はなんともない。
「先生一緒に写真撮りましょー」
「ん?ああ…いいぞ。」
生徒たちも、修学旅行を惜しんでいるのだろう。バスの停車中自撮りの枠に入れられ、ぎこちなくピースした。
普段なら「バス移動中は起立しないように」と厳しく注意するところだがこの場はお咎め無しとする。
きっとこの穏やかな時間さえ、彼らにとって一生の思い出になるんだ。
「ありがとうございました~。」
「気をつけて席に戻りなさい。バスが動くぞ。」
「は~い!」
ああ、本当に…いい修学旅行だった。
例え学校に戻った瞬間教師の数人には膨大な事務処理に終われると理解していても、我が校の誰一人と欠けず、笑顔で終われそうで安心した。
もうすぐ冬の足音が忍んでくる、とは信じられない心地いい日差しに微睡みたい気持ちをこらえ、グッと背筋を伸ばす。
「あの…」
次のバス停車中、再び訪問者がやってくる。
おずおず、と控えめに生徒の毛利学楽がシートの肩に手を添える。
「先生、隣座ってもいいですか…?」
「ああ、車酔いは危険だからな。座りなさい。」
「…ありがとうございます!」
なぜか深く感謝されたようだ。
心なしか毛利は数人の肩に頭を寄り添わせているような気もするが彼も学級委員長として気を張っていて疲れたのだろう。多目に見ることとする。
「…………。」
さて、あと寄るのはトイレ休憩のPAのみ。
次にバスが駐車するのは学校の敷地内だ。
全員の点呼と、帰宅を見届ける。その後グループのリーダー最後の仕事は、グループメンバーの帰宅の連絡を受けて私に電話で報告すること。その間に自分は報告書と記録書と領収書と物品の点検を…
「…………。」
ちょっとだけ帰りたくないな。
それはモノグサではなく有意義な修学旅行に後ろ髪引かれる、ということにする。
しかしさらにその後には何よりも重大且つ重要な用事がある。
それまでは気を抜けないな。
……ああ、いい天気だ。
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