えぴ50

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あまりに呆気ない終演… 誰も救われない、誰も恵まれない結末だった。 それでもゆっくりと考える時間もなく正月を過ぎれば再び授業が始まりテスト模試授業行事とそれなりに忙しい日々に目を回していた。 教頭の怪我を、部外者の英護がやや疑われたため裏口で集合することはなくなった。 代わりに数人が鞄屋に迎えに行き、数人のマンションで過ごすことは継続した。 1人の時間が不安で怖くてたまらなかった。 しかしその時間を作らないよう英護は常に数人に寄り添ってくれた。 あの日から1度もセ○クスしていない。 あの夜の出来事がフラッシュバックしてしまうから… それを分かった上で英護は人肌を求める数人が欲しい分だけの愛撫をした。 物欲しそうに見つめられれば愛情たっぷりのキスをして、身を寄せてくれば胸の先を満足するだけ可愛がる。 英護のテクニックをもってしても、ふとした瞬間にトラウマが蘇り毒が回り体が固まると、英護の指も瞬時に止まるから不思議だ。 おそらく自分の心を読まれている、今夜は麺類が食べたいと念じてみよう、とおふざけする余裕くらいは取り戻せた。 そうして1月の間は後悔と、恐怖と、絶望を癒そうとただギクシャクした時間がひたすらに流れて過ぎた。 しかし今夜、英護から大切な話があると打ち明けられた…
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