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思考がドロドロに溶けてしまった数人は一切無抵抗だった。味わったことない快楽に白目剥きかけたその頬に英護は磯臭い手を当て、ついばむようにキスをする。
「はあ…はあ…はへ…はふ…」
呼吸もやっとの数人の傍らで何かを擦る音がする。体を起こした英護は数人の尻を丹念に揉みながら微かに吐息を洩らす。
「フッ…」
「んんんうぅ」
そして尻に熱い何かをぶっかけられても数人は緩く反応するだけで、まだ余韻に浸っていた。
しばし、部屋には二人の荒い呼吸だけが響く。
先に落ち着いたのはやっぱり英護だった。
「ね、安堂さん…あんた全然遊び慣れてないでしょ?」
「うぐっ」
図星を指摘されると人間本当にみぞおちの辺りが苦しくなる。遅れて額に滝汗が伝う。
「なのにどうして頑張って俺を誘ったんですか?」
優しい…甘い声。今なら全て正直に答えてしまいそう。
「きっと…初めて、好きになったから…」
ぼいす以外のイケボを…
「……っ!」
英護は何も言わず、数人の体をギュッと抱きしめた。
「あんた本当に可愛すぎる…!一夜でサヨナラなんて絶対嫌だ、また会ってくれますよね?」
「んう?んふ…いいぞぉ」
余韻が終わるとふわふわ夢心地に気持ちいい。耳に響く、切なく余裕のない素敵な声…なんでもいいやあ、と満足気に数人は気づくことなく眠りに落ちていた。
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