えぴ54

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えぴ54

「セ○クスしたい」 脈絡もムードもなく英護の服の裾を握りしめて打ち明けてから彼はずーっとニコニコしている。下心を含むニチャッとしたものではなく安心というか、嬉しそうにニコニコしてた。 久しぶりすぎて上手くできるだろうか、そんな不安な気持ちを少しずつ薄めるかのように5分おきに何かにつけてキスされてて、最初は戸惑いと羞恥が勝っていたのに今は頬がポーッと熱く夢見心地になっていたはずだけど… 「さてどれ使いましょうか、どうせ全部使うことになるんスけどねえ♪」 と、ベッドの上で大人のオモチャの店屋を開かれたときはさすがに素に戻りそうだった。 ああ、たくさん本を読むことで世の中のことを知ったつもりになっていたが、むしろ世間は知らないことの方が多いんだなとしみじみ痛感した。 それで終わりお茶を一服、というわけにもいかず英護はまるで無邪気な子供のように楽しそうにオモチャを吟味してる。「ソレ」を平気で持てる神経を尊敬する。そして何かに気づいたようにハッと顔を上げ真面目な面持ちで副次項目を告げてくれた。 「これ全部数人さんと使うために悩んで買った新品スからね!?」 下の名前で呼ばれると胸が動揺してしまうのはいつか慣れるのだろうが今はまだドキッとしてしまう。それからオモチャの状態に全く気にしていなかった自分に気づく。 確かに見た感じ、まだ箱に入ってるものもあったりと未使用感がある。そして何故彼がそんなことを言い出したか考えると…なるほど、やっぱり優しい男だ。 数人は思案顔をふんわり和らげる。 「気にかけてくれて教えてくれてありがとう。」 それはありがたい、ありがたいのだが… 眼前に広がるナニの形したオモチャがパッと見3つ、使用用途の分からない丸っこいのや…丸っこいの。あと卵形の丸っこいのや筒の形をしたものを見ると正直胸中は「それどころじゃない」とザワついてる気がする。 普通にヤるだけでも久しぶりで緊張しているのにオモチャを使ってどんな風になってしまうのだろうか、そういった心配に合わせて…いや心配を上回るように興奮している。 結局自分もオモチャが好きな子供だ、と自覚すると頬の上が熱くなることを誤魔化すようにメガネの縁をいじる。 「うーん悩むけど、まあ無難にこれっスかね。」 何もかもが未知すぎて傍観に徹していたがどうやら使うオモチャが決まったらしい。 彼が選んだものは使用用途不明な方の丸っこいやつだった。よく見ると桜色したそれは先端に親指ほどの大きさした卵形の丸っこいものがあり、尻から柔らかい管が1mばかり伸びている。 そして英護の握る手にはちゃちなリモコンのような、平べったい板が一体となったオモチャのように見える。それ以外のものは早急に片付けられバッグの中に戻されたのでちょっと安心した。 一体これはどんな動きをするんだろう?困惑、期待、興奮…なんだかとっても楽しい夜になりそうだ。
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