えぴ55

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変化があったのは日常だけではなかった。 なんと、閉口を貫いていた矢車先生が会話に応じてくれるようになったのだ。きっかけは教頭がいなくなってから…それから徐々に声かけに反応してくれるようになった、これは大変ありがたいことである。 重要な会議の説明の時も、報告しないといけない時も、必ず無視されていた。聞こえているのか確認しようと声を大きくすると泣かれたこともあり、これも数人の小さな悩みの種であったが最近は日常会話も出来るようになった。 「安堂くん、前より優しい感じがする。」 そう言われた時は全く自覚していなかったがこれも変化の一部なんだと思うことにした。 英護と同棲することで心の余裕が生まれ、性的欲求を満たされることで充実しているからなのだが数人は気づかない。きっと生徒一同もその影響で「アンドロイドの安堂」と呼ばれる数人が柔和な人になればいいと望んだことだろうが、相変わらず容赦なくテストは難しいし追試も慈悲を見せない。
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