えぴ58

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えぴ58

「ん…」 その後、目が覚めた時には玄関のフローリングからふかふかベッドの上に移動していた。 メガネとついでにズボンは履いていないようで、視界はボヤけている。感覚もまだ夢を見てるようで…思い出すだけで動悸する胸を鎮めるために小さく深呼吸し、何気なく顔を横に向けてみた。すると… 「……?」 ベッドにあぐらをかいて座ってる英護がノートパソコンを足側に置いて何か作業をしていた。何かまでは視界が定まらず全く分からない。メガネを取ろうと体を動かしたベッドの振動に気づいた英護が慌ててノートパソコンを閉じてこちらを振り返った。 「起きるの早かったっスね、もうしばらく寝てると思ってたんスけど。」 「あ、ああ…ベッドまで運んでくれてありがとう。」 「ん、いいっスよ。廊下で寝てるとお尻冷えちゃうっスからね~。」 「……。」 ノートパソコンを閉じる勢い以外は普段通りに接してくれたので多分、急いでいたように見えたのは自分の見間違いだったのだろう。 メガネを探り当て、かけ直す頃にはしなだれかかってきた英護に襲われていた。 「ん…むぅ…」 先程の行為を強制的にフラッシュバックさせるような、予告なしの濃厚なキスに思考がドロドロに蕩けそうになる。数人は受け入れるので精一杯で、舌の表面をザラリと舐められる度に腰がゾクッと震えていた。 「数人さん…」 呼吸の合間に色っぽい声で名前を囁き、唇で甘噛みするように顎先、喉仏、鎖骨と順についばまれていく。 「んはあ…っ♡」 そうなると次に期待するのはシャツを引き剥がされ、治療中の乳首に構わずむしゃぶりつかれることだ。想像だけでイキそうなんだ、実際されたらさっきのことの後でも4回くらいイケると思う。数人の呼吸は自然と上ずるのに英護はシャツの隙間から覗く肌にキスすることに熱心なご様子である。 「~~っ…。」 ああ、ウズウズするぅ…!期待に興奮したちくびは絆創膏など構わず隆起してる。英護が触ってくれないならいっそ自分で…♡ たまらず伸ばした手を、目をやることもなく英護の手に抑制された。やっぱり心を読まれているのだろうか?今夜は疲れたしどこか外食でもするか?と冗談を考える程度の余裕は生まれつつある。 「ふう…」 「……?」 しかしひとしきりキスを堪能した英護が肌から唇を離し、体を起こしてしまったので起きてヤるのだろうか?と数人もすかさず体を起こした。めくるめく快楽を期待していたがちょっと真面目な顔した英護を見ればさすがの数人も「今じゃない」と察することはできた。
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