えぴ7

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えぴ7

か ゆ い…!! いつもの数人の授業は厳かで淡々としているのだが、頻繁に妙な動きをする数人に生徒は戸惑っていた。 剃毛というものは人生初めての経験であったが、特に陰部は陰茎が取れるほど痒い!!! 毛根がムズムズと動き、毛の生える感覚がありありと分かる、この地獄よ。 毎日剃ってはいるが、暖かい日は1度蒸れると気が狂いそうに痒い。 「アンドロイド変じゃね…?」 「さっきからクネクネしてるよな…」 聴覚だけは鮮明に、生徒の声をとらえているが体は微動だにしない。さっきから黒板に向かって1分は固まっている。こんな授業、私の教師人生初めての失態だ…! 脂汗か涙かが、ポタポタと顎を伝う。 も、もう我慢…出来ん…! トイレに駆け込もうとしたその時、学級委員長の毛利(もうり)学楽(まなぶ)が立ち上がる。 「先生、体調が悪そうです。保健室に行かれた方がいいかと思います。僕たちは自習してますから。」 「…!す、すまない…すぐ戻る。」 渡りに船、といった感じで心底感謝した数人は結局駆け足でトイレに転がり込んだ。 個室に鍵をかけるとチクチク短い毛の生えはじめた陰毛にたっぷり軟膏を塗る。 「はああ…」 毛を剃る大変さを知った、秋の午後…
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