えぴ10

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数人の人生初めての告白、人生初めてのお付き合い…。学校で「冷血アンドロイド」と呼ばれる自分の人生にそんなイベント発生するだなんて思ってもみなかった。自分にこ、ここ恋人が出来るなんて未だに信じられない…。 英護が修学旅行に付いてくることだって、あまりに突拍子もなく決まったことだから冷静になってちゃんとベッドに正座して話し合った。もちろん裸のまま。日程、会う時間、会う場所事細かに決定するのはまた今度となったが、英護が本気で来る覚悟は確かだ。 「本当に旅行が好きなんだな。」 「はい、好きですよ!」 無邪気に笑う英護が眩しい。声だけじゃなく顔もいいな、とつい見とれるほどだ。 「あと安堂さん、お願いがあるんですけど…」 「ん?な、なんだ?」 上のそらになってるのがバレないよう慌てて返事した。 改めてそう切り出されると何事かと若干警戒する…。 「その、安堂さんのえっちな声、もう少し口を開いてもらえませんか?我慢する声もすっごく興奮するんスけどいつもシメられた鶏みたいで…」 「に、にわとり!?」 ししし失敬な!そもそも声なんて出てないだろう!?出ても渋い声で「ん…」くらいしか言ってないはず……いや、思い当たることもある…ちょっとだけ………。 「ごめんなさい鶏は言い過ぎました、窒息しそうで心配なんス。」 英護は急いでフォローした。でも、鶏…言われた言葉は簡単に消せなかった。鶏… 「普通はどんな風なんだ?」 やや、不機嫌にそう尋ねた。 「俺は唇を噛まないで、こう吐息を…ハア」 「んんんんっ!」 こいつの吐息は危険だ…耳が妊娠する!! 低く短い掠れた吐息は脳に直接攻撃してくる、ダメだクラクラと酔いそうでなんの参考にもならない。 「もっと具体的に教えて欲しい。」 「あ、じゃあ一緒にAV観賞しましょうか!お勉強の時間です!」 「ん~?」 いつの間にかホテルは「お泊まり」になっていたらしく、数人は夜通し英護とえっちなビデオで学習をした。時々、いや頻繁に英護が「同じ声を出しましょう」とイタズラをするから干からびるほど搾られた…だがおかげで鶏は脱出できそうだ。そうか、アンドロイドの次は鶏か………。
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