えぴ10

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「ん、ン"、ンン"ッ」 数人はベッドの前で正座し、指を喉に当ててコンディションをチェック。慣れない声を出してるせいか、最近喉がイガイガする。風邪でもないのに薬を服用したり、うがいが欠かせない。クラスでも「先生風邪ですか?」と心配されてしまう。 だがここで諦めるわけにはいかない。 教員採用試験を受ける時よりも緊張している。よし、まずは練習だ…大丈夫、私なら出来るはずだ! 「あ、あ~~~ん…?」 ………。 「…………。」 いやいやいや、恥っずかしいなこれ!! 瞬時に数人の頬は赤くなり、蒸気を吹くほど羞恥を覚えて枕に顔を突っ伏した。 しつこいが未だに英護に「喘ぎ声が鶏」と言われたことをひどく気にしており日夜トレーニングに励んでいる。しかし、自分の声など気にしたこともなかったのだ、いざ意識すると余計に変な声が出てベッドでのたうち回る日々。 おかしいな、英護とたっぷり練習した時は自然と高い声が出せたのに…まだ一人じゃ上手く出せない。こういう時は「秘策」を使うに限る。 改めて突っ伏していた枕を乗り上げ、胸の下に敷く。この体勢が1番リラックス出来る。 それから正面のタブレットを起動し、ヘッドフォンを頭に装着した。 動画サイトを開いて、チャンネル登録してるのはただ一人。やった、今日も新しい動画が更新されてる…!音フェチシチュエーションボイス投稿者「ぼいす」の最新動画をタップした。 『やあ、すけべなリスナーのみんな…今日もお疲れ様。いっぱいムラムラしていってね、よろしく、「ぼいす」だよー。』 「んんんんんっ♡」 相変わらず暴力的に素晴らしい声っ…投稿から15分でもコメントが付いており「開始5秒で孕ませる声」も納得してしまうイケボだ。 『君の可愛い声…いっぱい聞かせて…そのやらしい声で、俺もムラムラするから…』 「はああ、はあ、はあっ…♡」 ダメだ、頭がおかしくなるほどクラクラする。無意識に両手は胸に添えられ、夢中で弄る。 『えっちな乳首…つんつんっていじめると切なく震えて、かわいいね…』 「んぎゅっ…っ!ふう、ふううう…っ」 また止めそうになった、と気づく度に深呼吸。息を止めるとイクまで早いのだが、呼吸を意識すると焦らされてるようで余計にムラムラが止まらない。もっと、もっと欲しいのに…! 『カリカリカリカリ…はあ…うまそう…』 「はっ♡は、はひゅっ…はへっ♡」 刺激の強いリップ音ばかり投稿していた「ぼいす」の直近の動画は吐息が多い。 布を擦る音と自分の吐息、ちょっとだけ物足りないけれどやっぱり最高だ…。 『ね、君のえっちな乳首、舐めて吸ってもいい?しゃぶって味わってもいいかな…』 「はひ、はひっ…はやく、はやくっ…♡」 『んふ…それじゃ、いただきます…』 ちゅっ…ちゅうううっ…ちゅぱ、じゅるっ… 「んがあ、ああああーーーっ♡」 胸から背筋へ、びくびく電流が走ってのけ反り絶頂してしまう。 あ、ああ…だらしなく口を開けた上、舌を突き出し、メスのような顔して胸でイッてしまう姿、英護が見たらなんと言うだろう。 「はあ、はあ…、……?」 な、なぜそこで英護が出てくる?「ぼいす」の声を堪能してる間、他の男のことなんて考えたことないのに…なんだがひどく罪悪感。 ヘッドフォンを外してしばし思考を巡らせる。 …これはそろそろ、確かめた方がいいと思う。腫れた乳首を手のひらで撫でながら、数人はスマホを手に取った。
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