えぴ13

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えぴ13

快感に弱いというのは都合の良い能力ではない。日常生活にガッツリ支障を来す。 「コホ、コホ」 「やだ安堂くん、風邪ぇ?」 乾いた咳払いをすると、職員室の矢車先生がすかさず立ち上がった。 「いえ、空気が乾燥してるみたいで…」 「じゃあほら!アメ!安堂くんが好きな黒糖のやつよ!食べて食べて!」 「あ、ありがとうございます。」 強引に押しきられてしまうと、流されてしまう。手を固く握られ、うんうんと同情の眼差しを向けられた。 「安堂くん、修学旅行のこと色々手配してくれてるもんね。あたしに出来ることならなんでも言って?プライベートでも付き合うから!」 さりげなく手をほどいた。 「お気遣いありがとうございます、そちらは抜かりなく、手配を進めておりますので大丈夫です。」 「そ、そう?体は大切にしてね、修学旅行にお休みしたらイヤよ?」 「はい、心に留めて体調管理に努めます。」 体調管理、という言葉にさえ疼いてしまうのは、自分が思春期に戻ったのか?管理せずとも自分の快楽の全ては英護に把握され、毎日のように濃厚な絶頂を味わわされている。 ちくびも弄られすぎて痛いと不満を言うと、舐められ焦らされ時々吸われるとおかしくなるほど気持ちよくて…っいかんいかん、今は仕事中だ。擦れると痛いからちくびにもばっちり絆創膏も貼ってる。 「あら、安堂くん顔が赤い。本当に風邪?」 抵抗むなしく無理やり矢車先生は額をくっつけてきた。お化粧のパウダーの匂いとキツイ香水の匂いに、むせそうになった。 すると熱の代わりに矢車先生は何かを見つけ、目を細くさせた。額を離すと、正面で仁王立ちする。
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