えぴ22

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えぴ22

どんなにスケベなことをしていても、いつまでも仕事に支障を来すわけにはいかない。 つい一昨日まで思い切り支障来していたが、根性と理性だけで数人はいつもの「アンドロイド」になりきった。 快感にはまだまだ慣れそうもないが、自分は教育者、教室には教え子たち。彼らに気を遣わせたり自分が腑抜けていてはいけない。 一晩中英護にめちゃくちゃにされた翌朝もすぐ元気になってしまう、むしろ思い出してウズウズしてしまう切なさを授業の空き時間にトイレで無理やり発散させることで冷静さを取り戻した。男の習性というか、1発陰茎で抜けば落ち着く。 普段であれば「学校でそんなことしてはいけない」と真面目な数人がそんなことをした経緯は、担当クラスで「ダラダラするな」と叱咤激励する自身がフワフワ浮わついていれば説得力に欠ける、と悩んだ末に編み出した戦術だったのだ。臭いでバレないよう薄く香水を振りかけるようにした。 そのおかげか、動揺していたクラスは修学旅行という特大イベントを前にして静寂を取り戻していた。乳首でメスイキするド変態教師の数人だが、学校では「怖い先生」の部類なのだ。もちろん生徒1人1人を想って徹しているだけだが。 「…では、各自気をつけて下校するように。」 ようやく長い1日が終わり、HRの締めも終わった。整然とした数人の荷物は鞄に詰めるだけで即職員室に戻れるようにしているが、意外とこの時間に「先生教えてください」と質問に来る生徒もおり、彼らを拒まない。 その代表がクラスの優等生毛利(もうり)学楽(まなぶ)だが少なくとも数人は特定の生徒を優遇しない。等しく接している。 学楽は教壇につく直前黒いメガネと黒い頭髪を整え、数人に一礼した。 「先生、授業の質問してもよろしいでしょうか。」 「うむ、いいぞ。」 「ありがとうございます、この段落なんですけど…」 10分ほど小難しい解説を繰り広げていると、反対側にソロリと別の生徒が待機する。 「ム、小林、お前もか。」 「へへ、先生ぇ…この図形の書き方教えてください。あと歴史の暗記も…」 「ああ分かった。毛利、今日はこの辺でいいか?」 「………。」 何気なく顔を見たつもりだが小林が教科書に気を取られてる間、毛利は激しい嫌悪の表情だった。さながら鬼面羅刹のようで、大人しい毛利のイメージとは正反対で数人も一瞬戸惑った。 「毛利…?」 「あっ分かりました先生、お時間ありがとうございました。」 顔が分からないよう深々とお辞儀した毛利は、そのまま踵を返して教室を出てってしまった。何か気に障っただろうか? 「先生~、明日追試なんですよぉ、赤点取ったら修学旅行行っちゃダメだって母さんも怒ってて…助けてくださぃい」 「分かったから背筋を正しなさい。」 そうして小一時間指導を行った。
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