えぴ24

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「え、英護、足りない♡もっと、もっとして欲しい…っ」 メガネの奥の黒い瞳に涙とハートを浮かべ、頬を染めて細くヨダレを垂らしながら懇願する数人のサキュバスを超える妖艶さに耐えられる英護の精神は鋼を超えた仙人の領域だったのかもしれない。ここで抱くくらいなら最初から覚悟していなかったのだろう。 発情する数人を宥め、隣に寝かせた。 「安堂さん、明日は大事な日っスから、寝過ごしたら大変でしょ?」 「でも、でも♡イキたい、もっとイキたい、から、指、うずうずする♡前立腺に欲しいっ…♡」 「だーめ、お楽しみは明日に取っておきましょ、ね?俺だってこんなに腫れてるのに気合いだけで我慢してるんスよ?」 「あ、う…♡」 指差された先を視線で辿れば、本当に爆発寸前になった英護の怒張。これを笑って耐えられるだから正直どうかしてる。 でも、自分ばかりよくしてもらってるから…今さらであっても何かお返ししないと、と使命感を覚える。尻がダメなら口はどうだろう、と舌を出したままその欲望を頬張ろうとした時だった。やはり英護に止められる。 「っ…今、そんなことされたら俺…止まりませんから。俺は明日本気であんたを抱くため、もうその一夜が病み付きになって忘れられないほど最高の夜にするためにあんたを仕上げたんス。だから、ね?今だけ俺を紳士でいさせてください…?」 さすがに動揺したか、英護の笑みが崩れる。そのひきつった笑いの奥に並々ならぬ情欲の炎を感じとり、数人も渋々引き下がった。 「ありがとうございます…明日、楽しみっスねー。」 「ん…。」 「明日は全部コレ、あんたの尻の中にあげますからね?もう一滴も残さず注ぐつもりで抱きますから、あんたの望む『セックス』しますから覚悟してください。」 「ん、んん…、」 いい加減彼は自分が人を堕とすほどイイ声してることを自覚して欲しい。ねっとりと情熱的にそんなこと囁かれたら、本気で我慢しないと今すぐその屹立の上に股がり快楽に興じてしまうところだった。だが同時にゆるゆると眠りに引きずりこまれる優しい声でもあった。 「おやすみなさい、安堂さん…。俺、もうあんたじゃないと…」 そうして額に一粒のキスを施される。 ああ、彼が何を言ってるのか聞きたいのに…理解したいのに声が頭を通りすぎていく。 早く、早く明日になればいい。眠ればそうなるんだから。早く、1秒でも早く英護とセックスしたい…そんなふしだらなことを考えて眠ったせいだろう。とても不思議な夢を見た。
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