朔の夜には

14/26
前へ
/26ページ
次へ
 缶ビールの背に満月が顔を出す。  そして、それを口に持っていき一口飲む。  秋の優しい風が夜風に紛れて吹く。 「こんばんは」  その声は垣根の向こうから聞こえた。 (んっ?)  声を聞いた最初の反応。 (ヤバッ!!)  次の反応。  慌てて缶ビールをテーブルの上に置き、椅子から体を起こす。 「あのぉ。私達もそっちに行っても宜しいですか?」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加