朔の夜には

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 そんな言葉が返ってくるとは思わなかった。  てっきり、垣根の向こうからだから、大家さんからの注意を受けると思った。 「えっ?あっ、あのぉ」  こちらがどぎまぎと対応を模索していると、「楽しそうなので」と、垣根の間から髪の短い、若い女性が現れた。  彼女は両手を組み、そこに何かを抱いていた。
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