朔の夜には

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「あっ、あのぉ。これは・・・」  大家の家に、こんな若いショートカットの娘さんがいるとは思わなかった。  蒼白い月の光を背に、近づいてくる。 「こんばんは。初めまして」  彼女は静かに軽く頭を下げる。 「こんばんは」  挨拶を交わし、「あっ、ちょっと待っていて」と部屋にもう一つ椅子を取りに戻った。
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