朔の夜には

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 夢を見た。  当たり前なのか何なのか。  若い娘の声で「ありがとう」と聞こえた。顔も体も見えない。  その声にだけ、反応して目が覚める。  目の前には、空になった皿だけが残っている。  自分の周りに眼を向け、子猫を探す。  しかし、その姿は見えなかった。  ふと、冷たい風が吹き込む。  庭への窓が僅かに開いていた。
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