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4.神様カフェ
イザナギとイザナミは、狭いブースの中で、今にもSEXしそうな勢いでいちゃついていた。
スサノオは、スラムダンクの最終巻をちぎらんばかりに開いて、むさぼり読んでいた。
ツクヨミは、エロ動画を検索しまくり、ふむふむ、ほうほう、と意味不明の感心嘆息を繰り返していた。
時計の針が0時を知らせ、月が一段と輝きを増した頃、全員がのそのそと個室から這い出てきた。
「おや」
「まぁ」
「あれ」
「おっと」
四人の神様は、通路で棒立ちになった。
イザナギがツクヨミとスサノオの顔を眺めながら、おぉ私の右目と鼻じゃないかと声をかける。
「父なるイザナギよ、たしかに私はあなたの右目でしたが、今や夜を司る神ですぞ。それなりの敬意を払っていただきたい」
「父なるイザナギ。そら、あんたの鼻だったワシやけど、ヤマタノオロチぶち殺して、出雲の地に降りてからは、そらエエ子やったんやで。ちょっとは褒めてえな」
ツクヨミとスサノオが抗議していると、ネットカフェの111号室の奥から、声がした。
「皆さん、お集まりですか?」
蚊の鳴くような声の持ち主が誰であるかは、
皆分かっていたが、あえて沈黙した。
「あれ? おーい、みんな~」
「………」
「ちょっと! いるんでしょ! 返事くらいしなさいよ! ってか、この状況なんだから、踊りなさいってば!」
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