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「ああでも僕、たまにはこっちにくるから、会いに来るよ。何かと不便でしょ。なんかいるものない?向こうのもので」 義理堅くテンセイがそんなことを言ってきたので、潤は少し考えた。暮らしてみて大抵のことは大丈夫なのだが…… 「眼鏡……かな。こっちにはないみたいだし。たまにしかもう使わないけど……あと、もっと欲しいものが」 「何?」 「トランクス。こっちの下着、腹が冷える」 潤がそう言うと、テンセイは眉を顰めて嫌そうな顔をした。 あの嵐の日から、二人は一緒に寝るようになった。ウトウトしながら眠りに入るアピチェを見ながら自分も眠りに入る。それが何より幸せだと頭を撫でながら微笑む。そんな夜が数日続いた、満月の夜。 「寝ようか」 ベッドに入りいつものように、抱き合いながらキスをして寝ようと潤が唇を離そうといたとき、アピチェが離れていく唇を逃さないようにして、そのまま舌を入れてきたので、潤は驚く。 「ん……っ」 ヌルリと舌の感触がして、背中が泡立つ。ディープキスなんて何ヶ月振りだろうとぼんやり考えていたら唇が離れた。 「ちょ、こんなのどこで覚えたの」 「友達に借りた本」 (どの世界もエロに関する知識の入り口は同じなのか) 苦笑いしながらふと思い出すのは、この世界では男同士の恋愛はどう捉えられているのかということだ。 「なあ、この世界だと……その男同士の恋愛とか、禁止されてない?」 「男同士の何がいけないの?一緒に住んでる二人なんてわんさかいるよ。結婚だってするでしょ?」 「あっちの世界だと多くは許されないんだよ。俺は、男が好きだったから」 「じゃあこっちにきて良かったんだ」 屈託のない笑顔を見せ、もう一度キスをする。憂いていたアピチェの将来も、まさかの同性婚が許されているというオチで潤はホッとした。それであれば、一緒に住むことになんら抵抗もない。 「そっか、潤はそれで悩んでたんだね。じゃあもう解決したことだし」 アピチェの指が潤の耳たぶに触れてきた。そしてそのまま首筋をくすぐるように移動していく。これはまさか、と潤は一瞬でピンときた。 (……まさか、アピチェ、タチ?) 「触れていいよね?」 返事を待たずに体に触れてくる。口から出そうになる甘い声を我慢しながら潤はまさか自分が年下に攻められるなんて、と思った。まあ向こうにいるときはネコだったからちょうどいいか、とアピチェの触れてくる指に思わず身体をよじっていく。 首筋から胸元に舌を這わせながらやがて潤の膨らんだものに手を触れたかと思うと、すぐにそれを口に含んだ。焦ったのは潤だ。 「何して……っ!やめろって」 アピチェは初めてだと聞いたのに、この慣れたような舌遣いと指使いはなんだろう。向こうで相手してきたタチの男に比べればたどたどしいが、かえってそれがぎこちなくて気持ちいい。 「これも、読んだ」 口を一瞬離して、そう言うとアピチェはまた口に潤のそれを含む。棒を咥えて喉の奥まで挿れるとその暖かさに潤はイきそうになるのを必死に堪えた。こちらに来て性欲を発散出来ておらず、貯まっているのだから仕方がない。自室で何回か自慰をしたが向こうにいる時と比べると、回数はうんと減っていたから、この口淫は早く限界に達してしまいそうだった。 「んん……、ハ……ア」 手で扱きながらヌルヌルになったそれを一生懸命に舐めるアピチェの頭を潤は掴んで、思い切り奥まで頭を押し込んだ。 「う! ん……ッ」 突然奥まで挿れられて、アピチェは驚く。そして潤はその動きを止めない。だらだらとよだれが落ちる。 「気持ちいいよ……ああッ、アピチェ……出そう…ッ」 奥まで出たり入ったりを続けさせられて、アピチェの目尻から少し涙が滲む。そしてだんだんと潤の余裕もなくなってくる。 「あ、ああっ!でる……!」
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