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【 第十二章 】 適所
ユウナギは翌日の昼下がりを憂鬱に過ごしていた。ナツヒがシュイに装飾品を渡す場面の画が、頭から離れない。なぜそれが、このように悶々と心に巣食うのか分からない。
「う――ん……よく考えてみて?」
あのまったく女っ気のなかった彼が、女性に装飾品を……である。しかしそもそも、彼が18にもなって独り身でいるのはおかしいのだ。もしかしたら本当に想う対象が同性なのかもしれないと、何も口を出さずにいたくらいだ。
「あれ、これってもしかして、なんだやっぱり女が良いんじゃないの! って言いたいのかな私」
そうだ、それなら言ってくればいいではないか。そうしたら、この胸の内を巡るモヤモヤしたものは消え去るはず。
「よし、会いに行こう!」
彼女は「避けられているから全然会えていない」という事実を、遠く忘却の彼方に追いやっていた。
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