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「今日はどのような魔法をお求めでしょう」
彼女はニコニコしながら、僕に尋ねた。
「……ここでは、魔法を売っているんですか」
「そうですよ。様々な魔法を取り扱っております」
こんなことが本当にあるのだろうか。未だに半信半疑な僕は困惑するばかりだった。
「お悩みでしたら、事典に聞いてみましょう」
そう言って、彼女は背後の本棚から分厚い本を取り出して、テーブルに置いた。彼女が手をかざすと、本がひとりでに開いてパラパラと頁がめくれていく。
まるで手品のような現象に心を奪われる。やがて、本の真ん中ぐらいのところでピタリと動きが止まった。
「あなたにぴったりの魔法が出ました」
彼女はカードにペンを走らせ、こちらに差し出してきた。
ご注文 No・079 意識高揚の魔法
現金でのお支払い 1200万円
時間でのお支払い 500日
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