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カエルは長いこと逃げ回っていた。
でも、やはりだんだん動きが鈍くなってきた。
(あ、動かなくなってきちゃった)
マルはカエルの背中をちょんちょんと、爪を出していない前足でつついた。カエルがグググと鳴き声を上げる。
ぴょんと跳ねるが、初めのような勢いはもうなかった。
(つまんない。引っかいてやったら、また動くかな?)
マルがカエルの背中に爪をたてようとした、その時である。
背後に、のしりという気配を、マルは感じ取った。
(誰だ?!)
振り返ると、月明りの下に、デコボコとした奇妙なシルエットが浮かびあがっていた。
丸い二つの眼がぎょろりと光る。
(あ、これは…!)
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