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それはカエルだった。しかも、かなり大きい。
こんなに大きなカエルを、マルは見たことがなかった。
弄んでいるカエルの二倍以上ある。三倍と言っていいかもしれない。
巨大ガエルは、ずんぐりと太っていて醜かった。
その姿に、マルはすっかり怖気づいた。
巨大ガエルは、ゴゴッと、のどを鳴らすと、なんとマルに飛びかかってきた。
仲間のカエルをいじめたからだろうか?
カエルがそんなことを考えるとは思えないが…。
(きゃ~~~!)
マルが悲鳴を上げた。
人の耳には、ぎゃお~んと聞こえたかもしれない。
(ネ、ネズミより大きいカエルは、こっちってこと?!きゃ~~!)
巨大カエルは俊敏だった。
重量もあるから、迫力が半端ない。
血も凍る思いでその場から逃げ出したマルの姿を、帰宅途中の付近の住人が見ていた。
白い猫が一目散に道を斜めに突っ切って走っていく様子はなかなかの圧巻で、この住人は思わず「猫…」と一人呟いた。
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