11人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「梨ならうちにも何個かあるよ」
キミコの言葉にFは首を横に振った。
「もっとあった方が良いやろうな。キミコも好きなモンに囲まれたい時あるやろ」
Fはそう言うと笑った。
「そりゃそうやけど…」
「梨ってそんな昔からあるんか…」
関口が私に小声で訊いて来る。
「うん…。日本書紀には既に梨が出て来る筈やから…六世紀とか七世紀とかには既にあったんやろうな…」
関口は頷きながら、
「二十世紀梨って言うから、最近かと…」
確かに二十世紀梨は二十世紀に出来た新種なのだろうが。
それを考えると、昔の梨は今のモノより味は劣っていたのかもしれないと私は思った。
最初のコメントを投稿しよう!