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キミコの家の縁側にFが指示したモノが並べられる。
大量の線香、蝋燭、水、そしてコンテナ一杯に入れられた梨。
「じゃあ、行こうか…」
とFが言うと大村がコンテナに入った梨を抱える。
「それ、俺が持つわ…。お前はFたちを支えてやってくれ」
と関口がその青いコンテナを抱える。
その様子を見て私とFは微笑んだ。
「数珠…。しっかり持てよ」
Fは手首に数珠を通し、線香と蝋燭を手にした。
道彦君がバケツに入れた水を両手に抱える。
私たち六人はまた山を登る事になった。
もう少し暗くなり始めた頃だった。
昼に登った時よりも、近く感じる山道だった。
さっき頭が痛くなった場所に着くと、私とFには耳鳴りが始まった。
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