友人Fの本懐11 - 鬼の首伝説 -

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Fは立ち上がって、薄暗い空を見た。 「あれ、見てみ」 そういうと指を差した。 その指の先にはキミコの家の瓦に書かれた家紋があった。 「何…。家紋…」 私も庭に出てその家紋を見る。 「一つ宝珠やな…。この家の家紋は…」 井上のばあさんがお茶を飲みながら言う。 「この辺には少ない家紋やからな…。キミコの家はもしかすると霧女に縁のある家なんかもしれんな…」 そう言うとゆっくりと立ち上がった。 「じゃあ、私は帰るわ…。腹も減ったし」 そう言うと歩き出す。 「あ、ばあさん…」 Fは井上のばあさんを呼び止めた。
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