友人Fの本懐11 - 鬼の首伝説 -

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それから何年も経っての事だが、私は大村に偶然会った事がある。 もうお互いに社会人として働いていた。 その頃Fも東京でサラリーマンをしていたのだが。 それはとあるコンピュータ系の展示会での事だった。 大きな展示会場で、集めたパンフレットを袋に詰め替えていると、私をじっと見る男が居た。 直ぐには思い出せなかったのだが、男は私の前に立ち、 「覚えてるか…。大村」 と名乗って来た。 その後、キッチンカーみたいな車で売られていたコーヒーを飲みながら、二人で少し話した。 大村も私同様に、コンピュータ関係の会社で働いていた。 そして、キミコと結婚し、大阪に住んでいると話していた。 「あ、あの痣、どうなった」 大村は掌を私に見せた。 そこにはその痣は残っていなかった。 どうやらFが言ったように綺麗に消えてしまった様だった。
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