友人Fの本懐11 - 鬼の首伝説 -

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「まだ、キミコの方は薄っすらと残ってるんやけどな…」 そう言って大村は笑っていた。 Fはどうしてるかと訊かれ、彼が東京でサラリーマンをしている事を教えた。 既にFとの連絡方法も私には無かった。 「へえ、何かあれだけの力あるのに普通のサラリーマンかよ…。もったいないな…」 大村はそう言っていた。 しかし、私はそうは思わなかった。 Fの力を必要としない日々。 それこそがFが望む世界だった。 それ故に、Fは満足しているのではないかと思っていた。 「じゃあ、また。同じ業界に居る事分かったから、また会う事もあるかもな…」 そんな事を言いながら大村と別れた記憶がある。 それ以来、大村とも会っていないのだが…。
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