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「まだ、キミコの方は薄っすらと残ってるんやけどな…」
そう言って大村は笑っていた。
Fはどうしてるかと訊かれ、彼が東京でサラリーマンをしている事を教えた。
既にFとの連絡方法も私には無かった。
「へえ、何かあれだけの力あるのに普通のサラリーマンかよ…。もったいないな…」
大村はそう言っていた。
しかし、私はそうは思わなかった。
Fの力を必要としない日々。
それこそがFが望む世界だった。
それ故に、Fは満足しているのではないかと思っていた。
「じゃあ、また。同じ業界に居る事分かったから、また会う事もあるかもな…」
そんな事を言いながら大村と別れた記憶がある。
それ以来、大村とも会っていないのだが…。
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