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「俺としたことが!まさか召喚に引っ掛かるとは!」 一人喚く俺は、異世界に飛ばされたことだけは間違いないと判断する。 誰が何の目的で俺を召喚とかふざけた事をしやがったのか…。 早く帰りたいが、どんな奴が俺を召喚なんてしたのか面を見てみたくもある。 なんせこの俺を召喚だ。 相当な力を持っているに違いない。 俺で食い止める……第一の目的はこれだ。 まかり間違って、俺の最愛の妻を同じ目に合わせないために。 そう、俺の最優先事項はそれだ。 マイハニーの美しい顔を想像するだけで頬が緩む。 …いつまでもここで考えていても始まらない。 取り敢えず……神力は最後まで使わないこと。 魔法も暫くは様子見だ。 でないと面倒に巻き込まれる可能性がある。 俺は自分の世界では神をやっている。 だからこそ、神である俺を召喚だぞ、普通じゃない。 今の俺の目標は『俺の妻を護る為に、召喚主に二度とその力を使わせないようにする』だ。 早速俺は姿を変える。 俺は普段黒髪金瞳だが、魔法効率のいい、蒼銀髪蒼瞳の姿になった。 ここからは俺の名前は『ウェルナート』と名乗る。 この身体は魔法に特化しているから、魔法の威力も速さも優れている。 普通の異世界くらいなら、この姿で余裕だろう。 ついでにファンタジーお得意の『真名』によるデメリット…例えば真名を知られると都合が悪い縛りがあったりするという事への回避も兼ねている。 だからこの世界では俺の真名や妻の名前は絶対に口にすることはおろか、思い浮かべる事もしない。 名前をこの世界に持ち込む事で、関わりを持ちそうな気がするからだ。 これから起こるであろうこと、自分に面倒ごとが極力降りかからないように、自分がどう動くべきかを予測し、動き方を決めながら、ひとまず今居る『砂漠のど真ん中』から街を目指した。 マップを手に入れないと面倒だ…。
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