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「う……う」
とある直感が脳裏を過り瞼を強く閉じた。途端に内なる獣が耳奥で呻いた。瞼が跳ねる。何者かの熱い手が男の陰茎を握っていた。
う…うう
唾液が噴き出し溺れそうになる舌。突き出し発声しようとして壁に阻まれる。舌先で押すと穴が空いて球体であるとの触感を得た。果実のようでとても固い。
口蓋と口腔底の間にぴたりと嵌り、口唇の自由を奪っている。
男はもう一度目線と顎を犬に向けた。さきほどよりもクリアに像が結ばれ、こちらを見つめ返す。
ああ──やはり。
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